プロンプトの書き方を、APIの説明を頼んだ2つの回答で比べる
「APIについて説明して」と頼んだ場合と、初心者向け・レストランの例・3文以内と指定した場合を比べました。具体的な依頼では指定した例が入りましたが、説明には不正確な表現も残りました。プロンプトを整えた後、何を確認するかまで見ていきます。
依頼には、目的・材料・条件・出力を入れる
プロンプトは、モデルに渡す指示や情報です。ここでは「何をしてほしいか」「何を使ってよいか」「どんな条件があるか」「どう返してほしいか」の4点に分けます。
今回の具体的な依頼は「プログラミングを始めたばかりの人向けに、APIを日本語で説明してください。レストランの注文を例にし、説明は3文以内にしてください。」です。対象読者、使う例、長さを指定しています。参考資料は渡していません。
例は入ったが、APIの説明には誤りが残った
モデルへ渡した依頼文と、返ってきた回答をそのまま載せます。
短い依頼
APIについて説明して。
APIとは、アプリケーションプログラミングインタフェース(アプリケーションプログラミングインタフェース)のことで、アプリケーションと外部システムとの間でデータや処理をやり取りする仕組みです。
temperature 0.7 / seed 42 / 入力 46・出力 50 tokens
対象読者・例・長さを指定
プログラミングを始めたばかりの人向けに、APIを日本語で説明してください。レストランの注文を例にし、説明は3文以内にしてください。
APIは、アプリケーションやシステムがデータを送受信できる仕組みです。レストランの注文を例にすると、ユーザーがAPIにログインし、注文情報を送信できます。次に、レストランが注文を受けて、表示やカスタマイズされた注文画面を表示します。
temperature 0.7 / seed 42 / 入力 78・出力 70 tokens
短い依頼では、同じ用語を括弧内でもう一度繰り返しています。具体的な依頼ではレストランの注文が出てきて、3文にも収まりました。
ただし、「ユーザーがAPIにログインし」はAPI一般の説明として不正確です。APIの利用にユーザーのログインが常に必要なわけではなく、この回答では何を誰が認証するのかも説明していません。「表示やカスタマイズされた注文画面を表示します」という部分も、APIが担う処理と画面の働きが混ざっています。
自分の依頼文を組み立てる
次のフォームでは、4つの項目から依頼文を作れます。モデルの呼び出しは行わず、入力はこのページ内だけで処理します。
入力はこのページ内だけで処理します。外部のAIへは送信しません。
指示への対応と、説明の正しさを別々に読む
今回の具体的な依頼なら、確認点は次のようになります。
| 確認すること | 実際の回答 |
|---|---|
| 日本語で3文以内か | 3文に収まった |
| レストランの注文を例にしたか | 注文の例が入った |
| 初心者がAPIの役割をつかめるか | 認証・API・画面の説明が混ざり、補足が必要 |
| 説明が正確か | ログインが常に必要であるかのように読める箇所を修正したい |
「条件を守ったから正しい」とまとめず、内容の確認を残します。仕様の説明なら、その製品の公式資料を材料として渡す方法もあります。資料の扱いはRAGの記事で説明しています。
変えた指示と回答を並べて残す
同じ仕事を繰り返すときは、依頼文だけでなく、確認で見つけた誤りも残します。今回なら「レストランの例を入れる」だけでなく、「APIの処理と画面の処理を分けて説明する」という修正につながります。
Colab実習では、自分の題材で短い依頼と具体的な依頼を比べられます。どの指定が効いたかを調べたいときは、条件を一つずつ変えます。
検証範囲と再現ファイル
2026年10月8日JSTに、AIアシスタントがLinuxサーバーのCPUで実行しました。Google Colabでの実測ではありません。2つの依頼を各1回実行しました。対象読者・例・長さを同時に変えたため、個別の指定の効果は切り分けていません。
モデルはQwen/Qwen3-0.6B、固定版 c1899de289a04d12100db370d81485cdf75e47ca。Python 3.11.17、torch 2.8.0+cpu、transformers 4.57.6、accelerate 1.12.0、CPU・float32・2 threadsです。
生成は enable_thinking=False、do_sample=True、top_p=0.8、top_k=20、max_new_tokens=128。システム指示は「あなたは日本語で答えるアシスタントです。質問に短く答えてください。」です。
参照した公式資料
- MDN:Web APIの紹介
APIとアプリケーションの役割。
- Anthropic:プロンプト設計のベストプラクティス
確認日:2026年10月24日。